日本のそばには様々な種類があります。二八・十割・さらしな・田舎そばなどが一般的なそばの種類です。
また地域や蕎麦屋さんによって、独自のバリエーションを持っていますので季節や好みに応じて楽しむことができます。
二八そばとは何か。
通常二八というのは、そばの割合を示しています。そば粉8に対し、小麦粉2の割合で打った蕎麦のことを言います。
この割合で打ったそばは、小麦の割合が多いため、麺に小麦のもちもち感が出てきます。二八は、コシもありのどコシ良いそばになります。そば粉もしっかりと含まれているので、蕎麦の風味も愉しむことができます。
ここで、そば粉に二割も小麦粉を入れてしまえば、そば粉の風味や香りが落ちるのではないかという心配がありますが、そこは職人さんの腕で、二八でも香り高い風味のあるそばになります。
そばに小麦を混ぜる割合が、そば粉10に対し小麦粉2の割合で打つ外二というそばがあります。外二のそばは、普通の二八に比べ食べやすさはそのままに、そば粉の多い分、そばの味わいは強く残るように仕上がります。
二八そばの食べ方
そばの中でも、二八が一番親しみやすく、冷たいそばをつゆや薬味と一緒に食べたり、温かい出汁とともにいただく食べ方があります。
天ぷらそば、二八は天ぷらとの相性が良く、そばを天ぷらとともに食べることで食べ応えが増します。
十割そばとは何か
十割とは100%を意味して、小麦粉を使わずにそば粉だけで打ったそばが十割そばになります。そば粉だけで打つことを生粉打ちとも言います。
そば粉だけなので、香りの高さと風味の強さが特徴です。また、そば粉によって違いが出てきます。そばの実の殻も入っている場合は、そばの色がやや黒めに仕上がります。そばの実の殻を取り除いて、甘皮がついている場合はそばの色が薄めのグレーになります。
食感は、そばのざらざら感があり、ちょっと歯に触れると切れやすく、切れたところから、風味と香りが口の中一杯に広がります。
十割そばの食べ方
ざるそば、茹で揚げた十割そばを、水分を切ってざるに盛り付けます。水分が切れることにより、さらに香りが立ちます。
薬味に、山葵、ねぎ、おろしなどが添えられて提供されます。最初におそばを塩だけで食べて、次に山葵だけつけて食べてください。その後、そばを薬味と一緒につゆにつけて食べます。
そば湯で食べる方法、そば湯に山葵、ねぎ、七味などを入れてそば湯につけて食べることにより、そばの風味を楽しむことができます。
食べ方は、薬味や塩、七味などご自分に合った方法をアレンジして自分の食べ方を見つけてみてください。
さらしなそばとは何か
さらしなは、そばの実の一割にも満たない純白な部分だけを取り出して打ったそばです。
そばの実を石臼で挽いたときに、一番最少に出てくるそばの実の中心部分のみを使用したもので、色のついた甘皮が混ざらないため白いそば粉になり、このそば粉で打ったそばがさらしなです。
ここでそばの実の中心部分なのに、一番最少に出てくるのか疑問になります。そばの実は、外側より中心部分の方が柔らかいために、そばの実を石臼で挽くと中心部分の方が早く砕かれて粉になって出てきます。これが一番粉です。
さらしなそばは、普通のそばに比べると香りや味はあまりありませんが、ほのかな甘みがかった味わいと、のどこしの良い独特の食感を楽しむことができます。
さらしなそばは、その繊細で上品な味わいから贅沢なそばとして評価されています。
田舎そばとは何か
田舎そばとは、そば殻をつけたまま粗く挽いたそば粉を使います。一番粉から三番粉または四番粉まで引き込んだ挽きぐるみと呼ばれるそば粉を使います。そば殻のまま製粉しているので色が黒目になります。そばの甘味や香りが強い一方、そば殻が入っているので少しえぐみが感じられ、食感はもそもそしています。
そばの実は、皮の下にある甘皮に栄養があるため、そば殻まで挽いたそば粉を使う田舎そばは栄養価が高いのです。抗酸化作用を持つルチンという栄養素が豊富で、血液の流れを良くし毛細血管をも丈夫にしてくれる働きがあります。田舎そばは、冷たくても温かくても、両方美味しくいただけるそばです。
手打ち蕎麦つなぎとは何か
つなぎとは、小麦粉の事でそば粉に割って使うことから割粉とも呼びます。そば粉だけではそばが切れやすいため小麦粉を混ぜることで、そばが切れにくく、そばをつなぐということからつなぎといわれています。
小麦粉は「薄力粉」「中力粉」「強力粉」の三種類に分けられます。
薄力粉は、グルテンというつなぎ成分が弱いので、切れにくさを考えた場合には適しません。
中力粉は、そば打ちのつなぎ粉として最も多く使われています。コシが出てのどこしの良さも楽しめます。
強力粉は、そばが切れないようにするだけなら一番でしょうが、つなぎ(グルテン)が強いためにもちもち(硬め)のそばになります。
その他つなぎとして、玉子があります。そばが人気だった江戸時代、玉子は高級品で値段が高かったためにそれほど広まりませんでした。今では、玉子をつなぎに使うことを売りとしている蕎麦屋さんがあります。
自然薯:つなぎで使う蕎麦屋さんは数多くあります。自然薯の持つ風味がそばとあいなり、こしのつよいそばになります。
そばの美味しい食べ方
そばが来たらそばを2~3本手繰って、何もつけずにそばだけを食べてみましょう。そば本来の味や香り食感がわかります。
塩をちょっとふって食べてみましょう。そばの味が引き立ちます。
刻みネギを、そばにのせて食べてみましょう。
次に、わさびをそばに少しのせて食べます。違ったそばの味が味わえます。山葵は、つゆに入れない方が良いでしょう。山葵をつゆに入れてしまいますと、つゆが山葵の味になってしまい、せっかくのつゆの香り旨味がわからなくなります。
つゆをそば猪口に入れて、そばつゆだけの味を確認してください。その後、そばをそばつゆにちょこっとつけてすすります。そばをすすって食べるのは、そばやつゆの香りを感じるためです。つゆをそば猪口に入れるときは少しずつ入れて、後のそば湯の分を取っておきましょう。今度は、ねぎや山葵、七味など薬味と一緒に食べてください。
手打ちそばの種類!二八・十割・さらしな・田舎そばまとめ
そばは、江戸時代から日本の主食として広く親しまれてきました。その種類や製法により多様性があります。そばは、そばの実から作られた粉を主成分とし、主に小麦粉と蕎麦粉を、水で練って伸ばしてから切り、茹でて提供されます。
そばは季節によって楽しまれ、夏には冷たいざるそばが冬には温かいかけそばが人気です。また、地域によって伝統や製法が異なりそれぞれの地域で独自のそば文化が根付いています。いろいろなそばの食べ方、地域独特のそばを楽しんでください。